モチーフ文
私たちは、自然そのもの、つまりは”自然のあるがまま”を、
そのままに体験することができなくなってしまった。
色彩自然学を学んだ色育士たちの現場ではそう思うことがある。
私たちはいつの頃から
「そのもの」自体を体験することができなくなってしまったのかもしれない、と。
太陽そのものを、雨そのものを、夏そのものを、
生き生きと体験するには
あまりにも邪魔が多くなってしまった。
人類誕生から磨き上げてきた意識が
無意識という豊穣な土壌から
あまりにもかけ離れてしまった今、
乾ききったものが現代人の心にコンステレートしているように
感じられるからだ。
一方で色彩のあそびを行うと、
それを渇望する何かが、水を得たようにデモーニッシュに活動しはじめる。
ポイント
乾いた、冷めた現場が起こる時代的、心理的背景と、
どうして色彩をともなう創作活動が、それをあたためるのかを知ろう。