フィールドワーク

カワウ(川鵜)が羽を広げてじっとしている〜鵜の謎〜

今回のフィールドワークでは、エメラルドグリーンの虹彩をもつカワウに出会いました。

なぞ

川鵜(カワウ)が川のとまり場で、こうやって羽根を広げてとまっている様子をよく見かけます。

これって何しているの?

昼間に見ても、バッドマンみたいで、少し恐さが...笑

ミッキー

こんな素朴な疑問から、川鵜(カワウ)の謎が色々出てきたので、迫っていきたいと思います。

カワウ(川鵜)の水中での奇妙な動き

川鵜の動き方

水の中で、爬虫類みたいにうねうねと動くことができる。

いろんな方向からカワウでもなんでも生き物を観察してみると面白い。
撮影してた写真とともに。まずはカワウの動き。

カワウ(川鵜)は、動きとしては、水の中で爬虫類に近い動きをしているように見てとれます。
水中に潜って、ぬるぬると這うように泳いで、顔を出して。
また潜っては、うねうねと体をしならせた自由な動きで、顔を出して。
それを繰り返すようすが見られます。
これは、餌を探しているそうです。

カワウは魚を食べる「魚食性」の鳥です。

何度も潜水して、魚を食べるための動きをしているのですね。

まとめ

水中にいる魚を食べるために、
潜ってはうねうねと素早く動いている。

カワウ(川鵜)の潜水できる時間

カワウの潜水できる時間は

カワウの潜水時間は、長いときで、70秒
人間とそんなに変わらない。

潜水して魚を採食して生きているカワウですが、
カワウの潜水できる深さは、水面から1m〜9.5mと言われています。
これはおよそマンションの3階の高さに相当します。

また、潜水できる時間は、長い時で約70秒と言われています。
これは人間の潜水できる時間とそれほど変わらないため、
魚を食べて生きていくには何度も何度も潜って採食しなければなりません。

ここで、あのカワウの羽を広げてじっとしている姿の謎が少しずつ見えてきます。

カワウの羽根干し

なぞ

川鵜(カワウ)が川のとまり場で、こうやって羽根を広げて長い時間とまっている。

これって何しているの?

冒頭の謎についてですが、
カワウの食性が魚であるため、カワウの羽はずっと濡れた状態になります。

でも、カワウはペリカン類ウ科に分類される鳥で、季節によって採食する地域を変えるために飛びます。
また危険があるときも、よく飛びます。

そのために、羽を乾かさないといけない。
びしょびしょだと重たくて、思うように飛ぶことができません。

よく見ていると、カワウが太陽の日差しに当たるようにして、羽根を広げてじっとしていることが観察できます。

まとめ

よく潜る習性があるカワウは、
濡れた羽根を乾かすために、太陽の日差しにあてるように羽根干しをしている!

でも、他の鳥たちはこのような光景を見ることがあまりないですよね。

どうしてカワウだけなんだろうか。

尾脂腺が発達していないカワウ

鴨がよく毛繕いをしているときに、尻尾の方から体に馴染ませている様子が見られます。

鴨は、尾の背中側の付け根にある「尾脂腺」という器官が発達しています。この脂が、撥水効果をもたらしていて、雨や水に濡れても飛ぶことができる状態を維持できるそうです。
羽繕いをする際に、その脂を羽根に塗っているんですね。

でも、カワウはその尾脂腺が発達していないそうで、羽根は水を吸ってびしょびしょに濡れてしまいます。
これは、潜ることにはいいけれど、飛ぶには都合が悪いことになります。

そこで、カワウが翼を広げて乾かす行動が生まれているわけですね。

ちなみに鴨が羽繕いをしている写真も撮影しました。

こうやって羽繕い(羽づくろい)をして、尾脂腺から出ている脂を入念に羽根に行き渡らせて、
水鳥として少し潜ったり、雨に濡れたりしても、飛び立てる状態を保っています。

そう言われてみれば、カワウはこういった羽繕いをしている姿をあまり見ません。
その分、ああやって羽根を広げ、羽根干しをしているというわけですね。

カワウの羽根干し事情

カワウ(川鵜)は、尾脂腺が発達しなかったため、撥水効果のある脂を羽根にぬることができない。
カワウの羽根干しは、「潜水すること」と「飛ぶこと」の両立のための工夫である。

まとめ

たった1つのカワウの行動の謎を追いかける中で、その行動がカワウのいろんなことを知ることにつながりました。

潜るということに特化して、他の鳥とは違って諦めなければならないこと、
そういったカワウの独自性のようなものが知れて、嬉しいなと感じます。

身に危険が迫ったと感じて、飛び立つときに、
咄嗟に胃の中のものを吐き出して、身を軽くしてから飛ぶこともあるというカワウ。
鵜といえば、餌を呑み込む習性があることがよくしられることだと思いますが、
鵜呑み、鵜の潜水、鵜の羽根干し、色合いや不可思議な動きや、見えない動きからして、

どちらかというと陰(ダークサイド)のエネルギーのようなものを感じ、
その逞しさに憧れのような気持ちを抱きながらのフィールドワークでした。

ありがとうございました。

-フィールドワーク

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