ゲーテ色彩論 心理学 色の本質

「魂の語る言葉」として色を知る準備

チェック

「内なる自然」から、色ということを知るための
準備をしてゆこう。

魂の語る言葉とは?

「魂」とは定義することが憚られるほど規定できない本質をもったものであるが、無意識の中心にあるものと把握されることが多い。
色彩には、私たちの個人的な、そして個人を超えた集合的な、イメージの群れが宿っている。
それらの「イメージ」という心の像は、無意識の働きが多分に含まれていて、イメージを受け取って言語化したりする行為には、「意識化」という意識と無意識の一種の対話が行われる。この無意識内を行き交う、輪郭の曖昧な「イメージ」というものは、別名で「魂のことば」とも呼ばれていて、私たちが「ほんとうの私」や「本来の私の全体性」を取り戻すために、重要な役割を持っている。

つまり、色彩というものは、「イメージ」の働きを含んでいて、魂のことばであると考えられる。

まとめ

その人から表される色は、「魂のことば」である。

元型イメージとは?

私たちの心の奥深くには、国境も人種も時代も超えて、人類みんなが共通に持っている「鋳型」のようなものがあるという。

この研究に身を捧げてきたのが、分析心理学をうちたてたユング(Carl Gustav Jung、1875年7月26日 - 1961年6月6日)である。彼の心理学は、無意識の内容を尊重して知っていくことと、人が個性化の過程を歩むことに主眼が置かれていて、別名「元型心理学」と呼ばれるほどである。

ユングの研究

人間の「心」には、人類共通の「無意識の型(パターン)」が底流している

彼は、人間の心が有する「無意識」というものには、大きく分けて2層があるとした。

上の層には、「個人的無意識」があり、個人で獲得してきた無意識の層であるとした。
下の層には、「集合的無意識」があり、これは個人が獲得したものではなく、遺伝により脈々と個人を超えて獲得してきたものであるため、そこには人類共通のパターンが見られるということを、8万以上の人間の夢や創作物を研究して知ることになった。

一人の人格を知るように色のことを知る

1つの色、例えば「紫」という色に対して、私たちは固定的な1つのイメージしかないわけではない。いくつかの星で星座が成り立っているように、いくつかのイメージが色1つの全体的なイメージを構成している。

紫は男性的な色だろうか?女性的な色だろうか?

はたまた子供っぽい色だろうか、大人っぽい色だろうか?

紫は天使的だろうか、それとも悪魔的であろうか?

そういった色に宿るイメージに、みんなと共通している集合的なイメージがあり、それらのイメージが一人の人格やモチーフを作り上げる。

紫は、女性的で、大人っぽく、悪魔的なところを多くの人が抱いている色彩である。このことからも、「魔女」、「王女」、「継母」などのイメージが湧き上がってくるが、これらは童話やおとぎ話でおなじみの人格であり、それらの人格が、誰もに流れる無意識の型である「元型」イメージを理解する足掛かりとなる。

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