我々の心の中に「自我意識」が形成されるとき、
「私」という感覚が明らかになってくる。
それは幼少の頃に、「私」であることの記憶をたどることのできる
ちょうど2歳くらいではないだろうか。
全てを結びつけ、
全てを混沌と溶かし込む「無意識」が、
「これはおまえだ!」ということに対し、「それは私ではない」と言うこと
『意識の起源史』エーリッヒ・ノイマン
これはユング派の心理学者で精神分析家のエーリッヒ・ノイマン[1905-1960]が
自我の芽生えのことを表現した一文だ。
これを読んだとき、私は衝撃を受けた。
「自我の芽生え」、つまり「意識の形成」とは、
今まで楽園のように「私」を包み、守ってきた、「母なる無意識」に対して
自ら自身を獲得するために、決定的な反撃を行うことなのである。
ポイント
「孤独」ということの中身を知ったとき、
私たちはそれが根源的なものであることを知るし、
「癒し」の本質にすら、そこから気づくことになる。